自己紹介

経歴 (写真左)

立命館大学中退

ブリティッシュコロンビア大学(UBC) 

ソーシャルワーク学士(BSW)取得 2004年 

ソーシャルワーク修士(MSW)取得 2009年

HIV/AIDS啓蒙団体(NPO)で6年勤務

ベトナムで国際協力活動を2年勤務

個人カウンセリングと認知行動療法セミナー主催

バンクーバーでの医療ソーシャルワーク(精神科、腎臓透析科、ペインクリニック、Heart Healthクリニックなど)を2012年から現在まで勤務中




僕がカナダでソーシャルワーカーになるまで

カナダに来るきっかけとなったのは、大学二年生の時の交換留学でした。当時、日本の大学では中国文学を専攻していたのですが、なんだか今ひとつ物足りなく、また漠然とした学生生活に満足できず、刺激を求めての留学でした。カナダでも有数の多文化都市バンクーバーでの一年間の留学は、日本から来たばかりの僕には驚きと感動(?)の毎日で、あっという間でした。町のどこに行っても多言語が耳に入ってくる、肌の色の違う人たちが入り混じって生活している、そしてお互いにお互いの文化を尊重しあっている、そんな環境がとっても新鮮に感じられて、また心地良かった印象が今でも強く残っています。また移民の多いカナダのお国柄か、カナダ人はフレンドリーな人が多く、ダメダメな僕の英語を辛抱強く聞き、会話をしてくれる態度に感動したものです。なんかカナダって居心地いいな~と、結局、交換留学後もバンクーバーの大学に残ることに決めたのでした。


まだ若すぎて、文学の面白みが分からなかった当時の僕は、カナダではもっと実務的なことが勉強したいと思いました。さらに、海外のどこででも働けるような事が勉強したいとも思いましたが、でも一体なにがあるんだろう?そんな時、先生に進められて取った科目Social Work 101がソーシャルワークという分野に興味をもつきっかけとなりました。社会構造の歪、貧困、差別・・・いままで意識してこなかった社会の負の一面を学ぶことは、自分の知らなかった世界を発見したような新鮮な気持ちと共に、社会における自分自身の立場を見つめるなおす機会が得られ、もっとソーシャルワークについて勉強したいと思うようになりました。また、かつて保健衛生でソーシャルワーカーとして働いていた母の影響もあったのかもしれません。


ブリティッシュコロンビア(UBC)大学での学生生活は、理想に燃えるソーシャルワーク学部の同級生たちと社会問題を議論・討論する毎日で、とても充実した楽しい日々でした。また、カナダ特有の社会問題を知る機会にもなり、理想郷にみえたカナダにも様々な問題が隠れていることが分かり、他民族・多文化国家が抱える一面を知ることが出来ました。


ソーシャルワーカーとしての仕事

卒業後は、バンクーバーのHIV/AIDS予防啓蒙団体で6年間働き、バンクーバーのアジア人コミュニティーでの性病予防教育、薬物中毒者の支援サービス、アジア人女性セックスワーカーのサポート、セクシャルマイノリティーへの偏見・差別に対する啓蒙活動などを行いました。また、コミュニティーでの基金集めや、団体運営にも関わりました。この経験を生かし、ソーシャルワーク修士号取得後にはカナダの国際協力団体を通して、ベトナムのハノイで2年間、現地のNPOでHIV/AIDS予防プロジェクトの開発・運営に携わりました。ここでの仕事を通して、ベトナムでは初の、トランスジェンダー(性同一性障害者)のサポートプログラムを立ち上げることも出来ました。カナダとも日本とも違う、発展目覚しいベトナムでの仕事は、文化を超えてソーシャルワークをする難しさと、達成感の両方を味わえた良い経験となりました。また、気さくで親切なベトナムの人達に助けられての仕事は、国際協力における相互尊重の重要性を再認識する機会ともなりました。


ベトナムからカナダに戻ってからは、医療ソーシャルワーカーとして、精神科、ペインクリニック、Heart Health Clinic、がんクリニックなどで仕事をし、現在はバンクーバー近郊の血液透析科で腎臓専門ソーシャルワーカーとして働いています。また、バンクーバーの日本人コミュニティーにて、非定期に個人カウンセリングを行ったり、認知行動療法のグループワーク、日本人ソーシャルワークの有志と社会福祉コンサルティングなども行っています。