ありがとう非常勤ソーシャルワーカーさん


楽しかったイギリス&スペインでの休暇もあっという間に終わり、私は再び腎臓ソーシャルワーカーの職場へと戻ってきました。時差ボケなのか休みボケなのか分からないけど、朝起きるのが辛かったぁ〜。でも職場に出勤してしまえば気分もシャキッとして、心なしか休暇前よりもやる気が少し湧いてきたように思えます。やはり休暇は仕事へのやる気維持の為にも絶対必要なものだと1週間ぶりの職場復帰で感じます。ソーシャルワーカーが元気になれば、患者さんも元気になりますしね(・・・多分)。



私の善良な同僚達は、私の1週間の海外バケーションに嫉妬も迷惑そうな顔も見せず、興味深そうに私の旅行記を聞いてくれるのに私の心は和みます。やっぱりここの職場は心地良い。おまけにソーシャルワーカーは聞き上手。ついつい旅自慢をしてしまって、職場復帰早々、私の気分も上々です 笑。



そして1番の心配事だった仕事の山は・・・とくに無かったのでした!マジで!?これはひとえに先週2日間、私の仕事のカバーに入ってくれた非常勤ソーシャルワーカーさんのお陰なのです!私の過去のブログでも書いたように、カナダの医療ソーシャルワーカーの現場では多くの非常勤ソーシャルワーカー(Casual Social Worker)が、正規職員の休暇・病欠の穴埋めに入る為に雇われています。私自身も最初は非常勤から医療ソーシャルワーカーを始めました。この非常勤ソーシャルワーカーさん達のお陰で、私たち医療ソーシャルワーカーは仕事に支障をきたすことなく休暇を取れ、心置きなくバケーションを楽しむことが出来るのです。



私のカバーに入ってくれた非常勤ソーシャルワーカーのBさんは、私の友人で、昔同じNPOで働いていた元同僚でもあります。彼女は私が医療ソーシャルワーカーになった頃に、大学に入り直してソーシャルワーク(社会福祉学)を専攻し、去年、大学卒業とともに医療ソーシャルワーカーの非常勤として働き始めました。そしてこのBさん、大学では首席で卒業したくらいの秀才で、まだキャリア1年目なのに仕事が出来るんですよ・・・恐らく私よりも (笑)。こんな彼女なので先週2日間のカバーだけで、私の1週間ぶんの仕事をまとめてやってのけたのでした。おまけに彼女のカルテはすっごい細かく指導通りに書かれている素晴らしいもので、一昔前の「ソーシャルワーカーのカルテは簡潔に!」のスローガンを未だに実践している私の時代遅れなカルテとは比較になりません。はい、私も頑張って「今どき」風に、ケースで実践した理論とセラピー、そしてその実践効果なんかを一々書かなければいけないんですけど、ついつい忙しくなると面倒くさくなって一昔前の簡単な書き方でカルテを書いてしまうんです。だからBさんにカバーに入ってもらうと安心できる反面、すっごいプレッシャーにもなるんですよ!それでも才女Bさんのお陰で今日も腎透析科は平和です。



・・・とのんびり出来たのは朝のひと時で、その後急に、次から次へと私の帰りを待っていたかのように電話が鳴り止まないのです。先々週までは毎日あくびが出るくらい暇だったのに、なぜ?私はこの現象を「バケーション後パニック症候群」と呼んでいます。なぜなら長期休暇後すぐは、爆発的に仕事量が増えるのが常だからです。非常勤ソーシャルワーカーさんのカバーのお陰で患者さんのケアは万全のはずなのに、そして多くの患者さんは私が休暇中だったということすら知らないはずなのに、休暇後すぐの月曜日は、普段はソーシャルワーカーが必要ないような患者さんまで援助要請してきて、まるで行列のできるソーシャルワーカー事務所です。



そうなると虚栄心の強い私としては「やっぱり透析科の患者さんは私じゃないとだめなんだな~」といい気になりたいところなんですが、実際聞こえてくるのは「先週カバーに入ってくれたソーシャルワーカーのBさん、すっごい頑張ってくれて助かったよ。それでこの問題の続きなんだけど・・・」なんてのが圧倒的に多く、おのれ~Bさんめ!仕事しすぎじゃー!とお門違いの怒りを表したりする余裕の無いベテランソーシャルワーカーがここにいるのでした(笑)。



という訳で、今週はBさんの大活躍のお陰で忙しくなりそうです(・・・いえ、いえ、とんでもない。嫌味ではないですよ 笑)。でも私はこの非常勤カバー制度、とっても良いと思うんです。もちろん、患者さんにとってもですけど、正規ソーシャルワーカーにとっても。非常勤ソーシャルワーカーは、大学を卒業したての新人が多いので、患者さんの役に立ちたいという思い・情熱が人一倍強く、また仕事も慎重にこなすので患者さん一人一人に丁寧に時間を費やします。反対にベテランソーシャルワーカーは、社会資源の知識を豊富に持っていて効率的に仕事を行う術と自信があるので、患者さんの悩みも程よく聞きつつ、パッパと仕事をこなしていく事に喜びを感じます。しかしたまに行過ぎると、患者さんの相談を半分くらい聞いたところで解決法が浮かぶので、患者さんの話を途中でさえぎってしまうなんて事も効率性を求めるあまりやってしまうことがあるのです。でも患者さんにしてみたら、パキパキと効率よく事務的にやってくれるソーシャルワーカーと、すこしドンくさくても最後までしっかり話を聞いてくれ、「頑張って役に立つぞ!」という熱意が感じられるソーシャルワーカー、どっちが良いでしょうか?私だったら後者のソーシャルワーカーのほうに好意を持ちます。あっ、でもお金に関する問題だったら、情熱が無くても事務的でパキパキと効率的に仕事をやってくれるベテランソーシャルワーカーの方がいいかも・・・ってことで、「出来るソーシャルワーカー」とは状況によって様々だということが分かりますね、という風にベテランソーシャルワーカーも擁護してみました(笑)。そしてもちろん熱意があるベテランソーシャルワーカーも沢山いますよ!念のため(冷汗)



ただ私が言いたいのは、ベテランになるとつい忘れてしまう「情熱」「やる気」「丁寧さ」と言うものを非常勤ソーシャルワーカーから学ぶことは多いです。そしてその評価を直接患者さんから聞くことで、「あー自分もかつて持ってた熱血さをちょっと思い出さないとなぁー」と自分の日頃の仕事ぶりに対しての反省と「カイゼン」をする機会を与えてくれるのです。



しかし、それにしても新人でありながらすでに情熱と効率性の二つを併せ持った非常勤Bさん恐るべし。患者さんからのBさんへの高評価が凄すぎて、まるで私の方が新人になったような気分です(涙)。せめて情熱だけでも取り戻さないと、このままでは、やる気がなくてドンくさいベテランソーシャルワーカーという非常にまずい立場になってしまいます(そして、実際こういうベテランソーシャルワーカーもそれなりに存在する・・・)。ということで、休み明けの今週、いつもより仕事がんばるぞぉー!!!


・・・・・・・・じゃやっぱりダメか!?

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