ソーシャルワーカーの在宅勤務「私の日課」
・・・と夏休みの作文のタイトルみたいなんですが(笑)、今回は私がどのように在宅で医療ソーシャルワークを行なっているのかを紹介したいと思います。私は現在、週の半分を在宅で、そして残り半分を病院で働いています。日本の医療ソーシャルワーカーで在宅勤務している人がいるのかどうか分からないけど、カナダでは未だに一定数(かなり少なくなってきたが・・・)在宅から働いている医療ソーシャルワーカーがいます。かく言う私もその一人。私の場合は、使っているソーシャルワーク5人部屋が狭すぎでコロナ感染リスクが高いと言う理由で、現在も週半分の在宅勤務が許されているのですが、しかしカナダのワクチン接種率も順調に上がり、コロナ感染が落ち着き始めた今日この頃、もうそろそろ在宅生活にも終焉がやって来るんじゃないか・・・と、同僚共々戦々恐々としています。そんなに在宅勤務って良いのかって?ま〜これは人にもよると思います。在宅だと働きにくくて嫌だ!って声もたま〜に聞きますしね。でも私は・・・在宅大歓迎!ハッピーザイタク!この永遠に続くような暗黒コロナ禍において起きた唯一の素晴らしい出来事、それがザイタク!と言っても良いくらい在宅勤務って最高〜な気分です。じゃーせっかくなので、何がそんなに最高なのか?ってのを、私の在宅勤務の日課から考察していきましょう。
(私の典型的な日課)
*午前7時55分 起床
*午前8時 パソコンの電源を入れて、職場のリモートページにアクセスする。
*午前8〜9時 留守電とメールのチェック&今日やることリストを作る
*午前9時〜10時 連携業務(交通手配、介護手配、年金&生活保護申請支援など)
*午前10時 腎臓透析科Zoomチームミーティング
*午前11時 業務のレポート・カルテ作成
*午後12時 お風呂
*午後12時30分 昼食
*午後1時〜2時 患者さんと電話にて相談業務
*午後2時 散歩
*午後2時30〜3時 同僚とチャットラインで情報交換
*午後3時〜4時 患者さんと電話にて相談業務パート2
*午後4時 ログオフ(勤務終了)
(考察)
まず就業は朝8時スタートなので5分前に起きます。そうです、ギリギリまで寝る作戦です。そして寝ぼけ眼のまま手探りでパソコンのスイッチを入れてログイン。さらに寝ぼけたまま職場の留守電を聞きます。留守電が全く入っていないラッキーな日はしばらく座ったままボーッとします。でもたまに大量の伝言や、患者さんからの深刻なメッセージが残されていたりすると「うわぁ!」っとビックリして一気に目が覚めてしまう時もあるので気が抜けません(っていうか仕事中に気を抜くな!)。この朝一の留守電チェックは占いのようなもので、この留守番の内容でその日一日の仕事量とストレスレベルが決まると言っても過言ではありません。その後とりあえず一息ついて、今日やらなきゃいけない事リストを作ります。これ作っておかないと、結構うっかり忘れしちゃうし、それにこのリストが後々一個一個片付くととっても気持ちが良くなるんだよな〜。だからリスト作りは欠かせません。
さーウォームアップ出来たとこで、各所お役所やサービス団体に電話して、患者さんから頼まれた雑務をこなしましょう。でもまだ起きて1時間しか経ってないから声が明らかに「寝起き声」。ま〜だけどお役所への電話だし、だいたい向こうの事務的対応にイラつくことも多いから、このくらいドスが効いてかすれた声くらいがちょうど良いのです。そういう理由もあって朝9時から「かすれ声」で私はお役所や各地域サービス事務局に電話をするのでした。で、予想通り遅々として業務が進まないお役所的対応に苛立って声を荒げてしまったお陰か、ようやく私の声も通常ボイスになりました。さー今度はZoomミーティングに参加です。
このZoomミーティングは週に一度行われる透析科チームのミーティング。患者さん達の状況を、それぞれの分野(医師、看護師、薬剤師、栄養士、ソーシャルワーカー)の意見を交えながら共有します。これ、いつもZoomのビデオ機能をオンにしないように気をつけています。なぜかって?だって私、まだ起きてから顔も洗ってないんですよ!こんな汚ったない顔および格好(パンツ一丁)を見られたら、私が今まで病院で築き上げた「爽やかソーシャルワーカー」のイメージが地に落ちてしまいます(え?自称じゃないよ!怒)。不潔なおっさんソーシャルワーカーって呼ばれないためにも、Zoomのビデオ機能は常にオフにしないといけないのです(だったらちゃんと顔洗って服着れば???)。
Zoomミーティングも無事終わり、やっと頭も冴えてきたので、先週から溜まっていた患者さん達の記録付けをします。これはChartingと呼ばれていて、いわゆる患者さんの電子カルテにソーシャルワークの業務レポートを書くことなのですが、これは結構私にとっては手間そして頭を使う作業です。特に英語が第二外国語の私としては、公的なものを書く作業はとかく神経を・・・というかGoogle辞書を使いまくります。書いたカルテを何度も何度も見返して、スペルミスはないか、グラマーミスはないか、冠詞&前置詞は抜けてないか、などなど英文確認をします(でも、だいたいどっかミスがあるけど、それは見なかったことに・・・笑)。
そしていよいよお昼休み。ここでやっと(!)シンペーは身だしなみを整える事にしたようです・・・って事でお風呂に入ります。あ〜やっと爽やかな自分らしさを取り戻した〜。さ〜今から頑張って働くぞ!(って午前中のは仕事じゃなかったのか!?)
お風呂に入ってお昼ご飯を簡単に食べて元気になった私がすること、それは患者さんへの電話業務。いくら顔が見えないと言っても、やはり患者さん達とお話をする時は、きちんとした気分の方がやる気・・・というか私の実力(?)が発揮される気がします。ダラダラした気分で患者さんの相談業務に乗ると、うっかり変な事言って怒らせたり、泣かせたり、がっかりさせるんじゃないかと怖くって、だからとりあえず自分が一番心身ともに調子が乗ってくる午後に私は患者さんとの相談業務をする事に決めているのです(そしてさっきはそのための入浴だったのだ!患者さんのために身を清めた?笑)。それにしても私は思うのですが、電話でお話しするときは、患者さんが話す内容や反応だったりが対面とは結構違う気がします。電話相談の時の方が、プライベートな話(例えば、金銭問題や家族問題)なんかが多くて、逆に対面の時は病気に関連する感情や精神的な問題を話したり、患者さんを元気づけたりする事が多いように思えます。そう言う意味では、電話と対面の両方を使い分けて患者さんとお話しするのが理想と言え、だからこそ今の在宅&職場勤務の組み合わせは完璧なのです!
・・・とまぁ〜私の主張は置いといて、小一時間患者さん達と電話相談した後は、気分転換に散歩に出かけます。え?誰ですか、サボってるんじゃねーよ!って言った人!?これは私に許された正当な休憩時間なんですよ。私の労働契約には1日30分のCoffee Breakっていう名の休憩時間が含まれているんです(+お昼休み)。これ結構大切です。患者さんとの電話相談では、死に関わる深刻な内容をみっちり話し合ったり、患者さんが抱えている怒りのエネルギーを昇華させてあげたり、患者さんの悲しみに共感したり、と聞き手のソーシャルワーカーの負担も時には大きく、このちょっとした気分転換が案外かなり役に立つのです(っていうか、じゃなきゃ疲れて次の相談業務に集中できなくなる)。なので、私は在宅でも職場勤務でも必ず散歩をする時間を設けています。これが私の仕事中のセルフケアってやつかも。
さて散歩を終えた後は、患者さんとの電話相談パート2に入るのですが、その前にちょっとポジティブな気分になるために、仲の良い同僚ソーシャルワーカー達とチャットで「職場ニュースNOW」について情報交換します。え?なんだ「職場ニュースNOW」って?ま〜つまりは職場での噂話とでも言いますか、ゴシップとでも言いますか、一体今病院で何が起きているのかを多角的に捉えるために大切な情報収集をするのです・・・はい。
という感じで、いろんな人のゴシップ話で気分がポジティブ(?)になったとこで、患者さん達との電話相談再開。途中で気分転換したお陰で、かなり集中して仕事ができました。時間を見たら午後4時です。それでは速攻でログオフしましょう。ブチっ!
これで今日の在宅勤務は終了です。はい、私、基本的に残業は致しませんので!(By ワーカーX)。
こんな感じで私の在宅勤務ぶりを今回は赤裸々に公開してみたのですが、いかがでしたでしょうか?全体的に「シンペーあんまり仕事してね〜な」って感じにも見えなくなくもなくもないのですが、いやいや、これでもちゃんと組合との契約通りに働いているんですよ。それでも在宅だと、自分の住み慣れた環境でリラックスして仕事ができるので、1日もあっという間に終わる気がします。それに通勤という無駄な時間もセーブできるから効率的です。やはり在宅勤務こそ人間らしい働き方だと私は強く思うのであります(でも、人間らしく朝起きたらすぐに顔と体も洗ってね!だと!?)。
おわり
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