夏時間でうつが悪化する!?
北米では今夜午前0時(3月11日)に夏時間(Daylight Saving)に変わり、標準時を1時間進めます。つまり午前0時に時間を午前1時に変えるのです。この夏時間は緯度の高い北米地帯の夏の長い日照時間を有効活用するための措置で、この為、バンクーバーでも7月、8月は夜の10時30頃まで日が沈まない状態になるのです。
確かにこの夏時間のお陰で、夏場は仕事が終わってもまだまだ明るい時間が続くので、とても活動的になり外に出かける機会も冬場の100倍増え、楽しいお祭り気分で毎日を過ごすことが出来ます。ただ夏時間に変更した直後は、体と脳が時間の調節に上手く対応できないので、特に今週なんかはしばらくの間、職場でボォーとしたり、あくび100連発したり、うっかりミスをしたり、なんとなく気分が落ち込んだり、と色々な変調をきたすはずです。これは毎年恒例この時期特有の私の「時差ぼけ」なのです(って普段もそうだろ!?)。
こんな風に心身に影響が出るのは実は私だけではなく、多分ほとんどのカナダ人が今週はなんらかの不調を感じるはずです。最近の研究では、この夏時間への変更が「うつ」のリスクを高めているという報告がなされています。デンマークの研究によると、夏時間変更直後(3月11日)と標準時への変更直後(11月4日)は、うつ病疾病率が11%も上昇するとの結果が出ました。そしてこの後10週間かけて少しずつうつ病疾病率は下がっていくということも分かりました。またアメリカの研究では、夏時間および標準時間への変更直後は、心臓発作と脳溢血のリスクが格段と上がるという報告もされています。またBC州の統計では、夏時間変更直後の1週間は、毎年交通事故が急増することが分かっています(気をつけねば・・・)。これは1時間の時差による「時差ぼけ」で、ドライバーの集中力が影響を受けていることが原因だと言われています。
たかが1時間、されど1時間・・・正確な時間で動いている体内時計が少しでも狂うと心身のあちらこちらにバグが生じるなんて、なんて私達の体は繊細に出来ているのでしょう!と感心してしまいます。しかし、同時に、そこまでのリスクをおかして夏時間にする必要があるのだろうか?とも思ってしまいます。
私は個人的には夏時間反対派です。なぜなら、私にはかつて夏時間変更をうっかり忘れて学校や職場に遅刻して怒られた(笑われた)苦い過去があるからです。それに夏時間から標準時に戻すと、こんどは真っ暗な夜がすぐに来てしまって、冬場の暗さが身にこたえるからです(そして季節性うつのリスクも急上昇する!)。このような理由から夏時間に反対する人は私だけでなく一定数存在していて、アメリカでもカナダでも毎年どこかの州では夏時間変更中止の議論が行なわれます。今のところカナダでは唯一サスカッチュワン州だけが夏時間を不採用にしています。
ま~そんな事を言ってみても、明日になったら時間を1時間進めなければいけない事実は変わりません。私の貴重な睡眠を1時間分削られるようで、ますます気が進みません。絶対に月曜日は寝不足で出勤です・・・そしてこれが交通事故が激増する原因でもあるのです。そう考えると日本みたいに標準時だけの方がやっぱり混乱も変調もなくていいのにな~と思います。それでもバンクーバー最高のシーズン夏が来て、夜10時30分に沈む夕日を見ると、「夏時間バンザイ!」って私もなっちゃうんだから人間の気分と気持ちほど当てにならないものはありません。
というわけで、北米にお住まいの皆さん、時計の針を1時間進めることお忘れなく。3月11日午前0時発のフライトを予約されている方、お時間お気をつけてくださいね・・・ってこの場合、何時に空港にいけばいいんだ?やっぱり混乱する!!!夏時間変更、とにかく面倒くさいです 涙。日本もサマータイム導入!なんて議論がたびたび政府を中心に起きますが、みなさん、ぜひ反対しましょうね(笑)
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