大学時代の想い出 ソーシャルワーク実習 ①
私ついに日本にやって(戻って?)参りました!東京は只今桜が満開中。やはり日本の桜はいいですね。公園や学校に咲き誇る桜を見ると、自然と学生時代を思い出します。桜と言えば入学式の象徴みたいなものですもんね。そんな訳で、日本に帰って早速過去の想い出に浸っている私なのですが、せっかくなので今週はソーシャルワーク実習について、私の実体験も含めて3回に分けて書いてみたいと思います。
ソーシャルワーク(社会福祉)を学ぶ学生にとって、現場を知る機会となる実習はとても大切なものです。日本の大学でも、カナダの大学でも、アメリカの大学でも、ソーシャルワーク実習は必須要項です。私が卒業したブリティッシュ・コロンビア大学(通称UBC)でも学部3年次と4年次、そして大学院と合計で3回実習をしました。UBCソーシャルワーク学部の学習要項によれば:
3年次 350時間(一日8時間で44日間)
4年次 378時間(一日8時間で48日間)
大学院 450時間(一日8時間で56日間)
と定められています。私が実習していた時は、だいたい週3~4日のペースで3~5ヶ月くらいかけて実習現場で働いていました。
UBCでの大学三年次の実習先は、主に地域の非営利団体(NPO)やボランティア団体ですることが奨励されています。その理由は、1)地域での活動を通して社会福祉の原点「草の根運動」を学ぶ、2)社会資源の知識をつける、3)障害のある人やマイノリティーの人たちと共に働くことで問題意識を高め、啓蒙する能力を身につける、4)地域でのネットワークを広げ学生同士で社会資源を繋げる、5)将来の就職先のコネ作り(私の場合 笑)が挙げられます。私は三年次の実習では、アジア系カナダ人を対象にしたエイズ予防団体(NPO)で働きました。ここでの仕事経験はまた別の機会に書きたいと思うのですが、なんと私、実習後そのままそこに就職したのでした(ラッキー!)。私の同級生は、障害者サポート団体や、高齢者福祉施設、コミュニティーセンターでの発達障害児プログラム、難民・移民関係団体での実習が大半でしたが、珍しいケースとしては、政治家事務所や政策事務所で実習した学生たちもいました。
大学4年次になると、3年次よりも専門性が高い現場で実習することが奨励されます。「専門性が高い」現場と言うのは大体決まっていて、それは児童保護か医療保健関係となります。私の実習時も、3割は医療ソーシャルワーク、5割は児童保護、そして2割は薬物依存や脳障害関連のケースマネージメントと割と統一された実習先でした。この4年次の実習は、実習先としても半分採用試験&ジョブトレーニング(OJT)の目的もあるので、医療現場でも、児童保護の現場でも、患者さん・クライアントと働く前に、徹底的なトレーニングをしてくれます。そのため学生たちも4年次までに、自分がどの分野で働きたいのか決めておく必要があります。なんと言っても、ここでの実習がそのまま就職に繋がるからです。実際、実習先とも面接試験があって、実習を断られてしまう学生もいます(特に医療系は競争が激しい)。私は4年次は病院の高齢者精神科病棟で実習したのですが、ここで最高に素晴らしいベテランソーシャルワーカーと出会い、医療ソーシャルワーカーのイロハ、そして仕事のやりがいを教えてもらいました!
大学院時の実習先の殆どは医療・精神保健関係です。というのも、大学院に来る学生の多くは児童保護職で「燃え尽きた」者たちで、彼ら・彼女らが大学院に来た大きな理由は児童保護職から抜け出し、医療業界に入るためなのです。なぜそれほど児童保護職が過酷なのか!?児童保護の現場を直接経験したことのない私には多くは語れないのですが、同級生や友人の話から総合すると:1)子供と親の関係・環境が複雑すぎて、解決方法が見つからないジレンマ、2)溜まっていくケースの数、そして3)ワーカーを守ってくれないお役所体質(これが一番の原因!)、が主な理由のようです。そういう訳で、殆どの大学院生は医療ソーシャルワークの現場で実習をします。また大学院での実習先は、大学院卒のソーシャルワーカーが働いている現場でなければならず、そうなると必然的に医療専門科(例:癌科、脳神経科、精神科、腎臓透析科、ICU、ホスピスなど)での医療ソーシャルワーク実習となります。私は大学院時は、病棟の「造血幹細胞移植科」という血液癌(白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫)を扱うところで実習したのですが、ここでは私のソーシャルワーカーキャリアにおいて黒歴史となるほどの嫌な思いをしたのでした・・・それも担当のベテラン(?)ソーシャルワーカーのせいで(ありえね~!!!)。
大学ではソーシャルワークの歴史、理論、そして研究論文など学術的なことしか学ばないので、実習をするまで学生たちは実務的なこと、例えば生活保護の申請方法どころか、生活保護の額すらも知らない真っ白な状態です。つまり実務的なことはすべて実習を通して学べ!というのが、どうやらUBCの方針らしいのです。そんな訳で、学生たちは現場で揉まれることになるのですが、実習先が必ずしも恵まれた環境とはいかないのが実習の大変なところです。例えば、実習先の担当上司と馬が合わなかったり、実習先のNPOが実習途中で倒産(閉鎖?)してしまったり、ソーシャルワークとは全然関係ない経理をさせられたり、と学生たちは山あり谷ありな実習先での困難を乗り越えていかなければなりません。場合によっては実習先を変えたり、大学担当者を巻き込んでの三者面談、直談判などで自分がきちんと学べる環境を学生主導で整えていかないといけないのです。
当時は、なんて酷い実習先ばかりなんだろうと思ったものですが、今から思えば、これもソーシャルワーカーとして現場で働くためには必要な経験だったのです。なぜなら、実際の業務では気の合わない同僚と働くことも、自分の職務とは関係ないことをやらされるなんてことも(特にソーシャルワーカーにおいては)ざらにあるからです。
そんな問題と上手く付き合う、解決していく能力を、学生は実習を通して経験する「どろどろした職場での人間関係」「組織体質」「職員間の不平不満」などと言ったソーシャルワークとは直接関係ない事柄から学んでいくのです。そんな私だって、大学院の実習では、本当に(一人の)ソーシャルワーカーの闇の部分を見させてもらい勉強させて頂いたのです・・・って未だに当時のことを考えると沸々と怒りがわいてきます。
でも苦い経験こそが成長の糧にもなり、だからめんどくさい実習先ほど実りのある経験をさせてくれる(はず)と、私は最近病院でちらほら見かけるようになったフレッシュな実習生たちに言いたいのです。ちなみに私はまだ実習生を受け持った経験はありません。でも、近い将来そんなチャンスがあれば実習生と一緒に働いてみたいです。きっといろいろと新しい発見があり、私自身もソーシャルワーカーとして成長させてくれそうです。でも一つだけ自分に誓うことがあります。それは絶対に、陰険で意地悪な実習担当ソーシャルワーカーにはならない!と言うこと。そう私が大学院の実習先の担当者で経験したように・・・
なんて書いたら、好奇心旺盛な(?)みなさんも私が一体どんな嫌な実習を大学院時にしたのか興味沸いたんじゃないかと思うのですが(それとも、そんなダークな話は聞きたくない!?)、それはこの後の私の実習での思い出話編で書きたいと思います(笑)。
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