悪夢の再来!?肩甲骨とうつの恐怖!
先週私は腰を痛めたのですが、連続マッサージのお陰か腰の痛みはずいぶんと引き楽になりました。めでたし!めでたし!と喜んでいたのもつかの間、こんどは右肩甲骨の筋肉が痛み始めたのです。この右肩甲骨の痛みには、私、本当に苦く恐ろしい思いを過去にした事があるのです。今まであまり多くの人に語った事の無い、私の黒歴史(?)についてお話したいと思います。
それは私が国際協力の仕事でベトナムはハノイで生活していた時のことでした。赴任一年目も終わろうとしていた2009年の大晦日、それは起こったのでした。年越しパーティーに参加していた私は会場のトイレに入ったのですが、なんとトイレットペーパーがないのです(って別にベトナムでは珍しくないが)。これはいかん!と思い、右後ろに置いた自分のバックパックからティッシュペーパーを取ろうと腕を後ろに伸ばした時「グギッ!」という感じの痛みが走りました。あいたたた!「なんか腕と肩捻ったっぽいな~」と思ったのですが、それほど痛くも無かったので、そのまま何事も無くパーティーに戻ったのでした。ところが次の日から右肩甲骨あたりがジ~ンと痛くなって来たのです。痛みは日に日に強くなっていき、痺れるような、肩甲骨下の深いところから湧き出るような嫌な痛みで仕事にも集中できません。とくに座ると痛みが激しくなり、でもパソコンを使う業務が多かったので痛みを押して仕事をしていたのですが、ジンジンと激しさを増す痛みに耐え切れず、とうとうハノイにある外国人専用クリニックへと駆け込んだのでした。
そこではフランス出身だというお爺さん先生に診てもらったのですが、なんとも意外な診断が下されたのです。それは・・・帯状疱疹!お爺さん先生曰く「湿疹は出ていないけど、最近日本人駐在員の間で帯状疱疹が流行っているから間違いないだろう。え~と薬は・・・」と言ってグーグル検索を始めたのです。「湿疹は無いのに帯状疱疹?だいたい帯状疱疹ってうつるんだっけ?それにグーグル使って処方薬って調べるの?しかもフランス人のお爺さん先生がなぜベトナムにいるんだ?」などなど疑問の数々が頭に浮かび「この先生、大丈夫かな?」と嫌な予感みたいなものを感じたのですが、しかし医者は医者、素直なシンペー君はこのジジイならぬ爺医の診断を信じたのでした。
しかし帯状疱疹用の薬を一週間服用しても、痛みは収まるどころか激しさを増す一方。ついには寝ていてもビリっと痛みが走るようになり、頭痛も起きるようになってしまったのです。これはもう限界だと再びクリニックに戻り、なんでもいいから痛み止めを処方してくれないかと頼んだのです。すると例のフランス爺医は「じゃーこの痛め止めとこの痛み止めの二種類だすから試してみて。これ二つとも結構強い薬だから利くはず」と2つの薬を出してくれたのです。でも強い薬だと言われて不安になった私は「じゃーこの一つを試して効かなかったら、もう一つを試してみるってことですか?」と爺医に効いたら、「いやいや、まずは二つ一緒に飲んでみて様子を見なさい。それが効いたら一つ除いてみて、どっちが効くか試せばいいから」と言うのです。逆の方がいいんじゃないか?と理論派の私には今ひとつ納得いかなかったのですが、でも素直な患者シンペー君は、爺医の言うとおりに2つの痛み止めを摂取したのでした。
あれあれ、なんかおかしいぞ?2つの痛み止めを飲み始めてから変な事が起きるようになりました。まず夢。この2つの薬、眠りに凄く効くのです。夕食後に薬を飲むと、そのまますぐ吸い込まれるように眠くなって、それもまた気持ちのいい眠りを提供してくれるのです。夢の中でも大笑いするような楽しい夢ばかり見て、普段わりと悪夢にうなされる私には珍しい事でした。でもそんな楽しい夢から覚めた瞬間、気分が一気にド~ンと下がるのです。冗談ではなく、本当に自分の笑い声で目が覚め、そして次の瞬間には「はぁ~」とため息をついてしまうほどどんよりした気分で朝を迎えるようになったのです。この朝の感情の起伏の激しさがキツくて、また薬を飲んで寝たてしまいたい衝動に駆られるのです。
そしてもう一つ、この薬を飲み始めて以降、気持ちがソワソワするようになったのです。何が不安かも分からないのに、とにかく不安で落ち着かないのです。職場はともかく、家でさえも落ち着かなくてじっとしていられない。仕方が無いので、公園でジョギングをして落ち着かせようとするのですが、それも全然効かないのです。これは困った!と思った私はまた爺医の元へと戻ったのでした。
なんだか不安な気持ちになってソワソワすると言う私の訴えを聞いた爺医は、「これはクセになるかもしれないから気をつけなきゃいけないんだけど、君はこういうのは大丈夫そうだから、この薬を出してあげるから飲んでみなさい」と勿体ぶって金庫(?)から抗不安薬を出してくれたのですが、この勿体ぶった言い方が私をますます不安にさせ、ソワソワさせている事になど気が付かない爺医なのであった・・・という訳で、ついに私は三種類の薬を服用する身となってしまったのでした。
強いと云われた2種類の痛め止めと抗不安薬。でも痛みは一向に良くならず、それどころかソワソワする不安感も酷くなる一方で、ついには食欲もなくなってしまいました。ご飯を作る元気もなく、食堂のテイクアウトが出来上がるのを待つ余裕も無く(ソワソワ感の所為で)、仕方が無いので隣にあるケーキ屋でケーキを買って夕食にする、なんていう異常な事もする始末。でも普段だったら美味しいと大喜びするケーキも、食べても味が無く、全然気分も盛り上がりません。そしてそんな事が続いたある日、ついに私の頭もおかしくなってしまったのでした。
その日は昼にプロジェクトミーティングがあって郊外の町まで同僚と出かけたのですが、痛みの所為でタクシーに座っているのも辛く、また押し寄せる不安感の所為でミーティングにも集中できず、ついには途中退席して自宅へと戻ってきてしまったのでした。「一体どうしてしまったんだろう?」不調の連続に、さすがの私も真剣に心配になってきました。そしてまたそれが私の不安感を助長するのでした。そうしてソワソワ感もピークに達し、ついには部屋で3秒もジッとしていられないくらいになり、部屋中を歩き回り、とうとう「今すぐバルコニーから飛び降りたい!」という衝動にまで駆られるようになったのです。「これは絶対におかしい!」私の心が叫びます。そして気が付くと私は大泣きしているのです。自分でもビックリしましたよ。なんで泣いているんだって。とにかく、もうここにいては危ない!このままでは、取り返しのつかないことをしてしまいそうだ!どっかに逃げないと!と、自分で自分を自制できなくなりそうな中、私の心の声が頭の中に響きます。そうして理由もなく大泣きする中、私は電話を取って助けを求めたのです・・・つづく
あらら、なんだか凄いドラマチックになってしまいましたね。でも、この時が人生で後にも先にも自分自身の「生命の危機」を感じた瞬間だったのです。今、こうしてここに書きながらも、あの時の感覚が甦りそうでゾクッとします。まだまだこの話は長くなりそうなので、続きは次回と言う事で、はぁ~(笑)。
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