春よ来い!そして私の疲れを取っておくれ!
先々週から突如として降り出した雪も収まり、ここ数日は快晴が続くバンクーバー。特に週の終わりの金曜日、そして週末に晴れると気が軽くなって楽しくなりますよね。快晴の金曜日、「あ~土曜日が手の届くところまでやってきた~」と始業前から気分はすでに週末モード。今日は事務所に籠もってなるべく静かに一日をやりすごそう・・・なんて仕事に消極的になるのも(私の)金曜日の特徴です。とりあえずお茶でも飲んで一服一服、と最近密かにはまってる夢の国ディズニーランドの情報をインターネットでボーと検索。「う~む、なるほど。ディズニーパリスのスペースマウンテンはスターウォーズがテーマで室内でぐるりとコースターが1回転するのか!すげー」なんて最近遊びに行ったカリフォルニアディズニーと比較しながら次はパリか東京のディズニーに行きたいな、なんてグーグル検索に没頭していると、プルルルルルと早速ご指名の内線電話が鳴り響きました。「チッ!」と思わず舌打ちしてしまう不良ソーシャルワーカーの私・・・いやいや、なんという態度なんだシンペー!今は勤務時間なんだぞ、ちゃんと働け!という今は亡き心配性だったおじいちゃんの声が聞こえたような気がして一瞬だけ反省する私。よっこらしょ!と最近腰痛気味な私は緩慢に立ち上がると、ゆっくりとご指名を受けた患者さん達の所へ向かいます。一度に4人からの指名・・・珍しくソーシャルワーカーが大人気な金曜日の朝7時です(そうなんです。私、金曜日は朝7時から午後3時までというスペシャルシフトなのです 笑)。
ダラダラしていた気分も患者さん達がいる透析科に行くとシャキッとします。というか緊張します。だってどんな相談事や苦情が待っているか分からないからです。患者さんによっては対決という名の対話もしなければならないので油断は禁物です。まずは一人目の患者さんAさん。この患者さんはいつも落ち着いていて私の「お気に入り」の一人です(患者さんの好き嫌いするな!って前回のブログで書いたのに、ぜんぜん反省しない私)。そんなAさん、先日自宅で転んでしまって腰骨を折ってしまいました。「なんとか頑張っているけど、これから先、自宅で自立して生活できるか不安だわ・・・」とこぼすAさん。私も最近弱り始めた彼女のことを思うと心配になります。介護施設には絶対行きたくないと常日頃言っているAさんですから、家でも骨折の痛みに耐えながら頑張っているのでしょう。ホームヘルパーを紹介したのですが、あくまでも人に頼らず頑張りたいと言うことで様子見となりました。でも大丈夫かなAさん・・・一人暮らしのAさんの安全を思うと不安がこみ上げます。
次はBさん。Bさんは献身的に介護する心配性(重症)な夫と毎回透析にやってきます。Bさんはいつも物静かで落ち着いているのですが、彼女の夫は心配性のためか、つねにソワソワして看護師長に何度も同じ質問をして怒られたり、せっかちなので看護ケアのお手伝い(という名の邪魔)をしてまた看護師長に怒られたり、挙句の果てには看護師長と揉めてソーシャルワーカーに仲裁を頼んだりと、ちょっと困った人なのでした。でも悪気があるわけでなく、心配性で奥さんを思う気持ちが強いが為の行動なので、私はそんなBさんの夫さんは嫌いではなく、むしろ愛嬌があって好きなのです。そんなBさん夫妻、来週お孫さんを訪ねる旅行を計画していてすごく楽しみにしていました。ところがBさん「私、帯状疱疹になっちゃって、また赤ん坊の孫に会いにいけなくなっちゃったの・・・」とすごく残念そうです。そして心配性なBさんの夫は、ソワソワ・イライラ「なんでいつも旅行に行こうとするとうちの奥さんは病気になるんだぁ!!!」と看護師長に絡んで、二人の関係が険悪になっていきます。今回もBさん夫と看護師長の間に入って、揉め事は抑えたものの今後がとっても心配です。
さてその次はCさん。私が抱える患者さんの中で一番「やりがいのある患者さん」(大変な患者さんとも言う・・・)。今、彼の住むアパートの部屋は、通称「ごみ屋敷」を越えた「スーパーごみ屋敷」の状態になっています。これは環境局の調査でもお墨付きで、実際「ハザード要注意の危険部屋」と最近認定されたほどです。お昼休みにこのブログを読んでいらっしゃるあなたに配慮して具体的な描写は省きますが、ずっとトイレを流していない、ネズミが住んでいる(ミッキーだったら楽しいのに・・・)、壁はボコボコにされていて、冷蔵庫の中には6ヶ月前の食べ物が入れっぱなし、そして足の踏み場も無いほどのゴミの山。環境局の調査では、人体に影響を及ぼす危険レベルなので、床も含めた部屋のものすべてを撤去すべきとのお達し。しかしCさんは人格障害、薬物依存、そして軽度の脳機能障害を負っているので、この状況を打破するのは容易ではありません。さらにこのような部屋なので、大家さんからは退去命令がずっと出されています。しかし本人もなんとかしたいとは思っていて、先々週から一緒に清掃サービスを調べて、やっと先週業者さんがやってきてCさんの部屋を掃除したのでした(でも後で、もう二度と頼んでくれるな!と私は業者さんに怒られてしまったのですが・・・それほど酷い有様だったらしい)。そんなCさん、私に大家さんに連絡して、清掃している努力を伝えて欲しいと頼まれました。なんとか大家さんに退去処分を考え直して欲しいと思ったのでしょう。こうなるとソーシャルワーカーの出番です。頑張ってCさんの啓蒙しなければ!と大家さんに電話したのですが、大家さんの剣幕に圧倒(涙)。30分以上も大家さんの苦悩を聞かされる事となりました。ま~大家さんの気持ちも分かります。おまけにCさんのご近所の人も大変な目にあってるし・・・それでもCさんの利益も守らなきゃいけないし・・・このバランスが難しい。まるで私がCさんの保護者の如く大家さんにこっぴどく𠮟られたのですが、でもなんとか「Cさんも頑張って部屋を綺麗にしたいという気持ちはあって努力はしています。私も出来る限り力を尽くしますので・・・」と言ってとりあえずは納得してもらったのですが、今後の展開がとっても心配です。
最後はDさん。Dさんは繊細な人で、かつて看護師へのささいな勘違いで怒り傷つき透析をボイコットする、なんて事がありました。また彼女は一度話し始めると話が止められない人で、とにかく相手が話を区切ろうとするのを嫌がります。私の印象では、Dさんは話が終わってしまうのが怖いんじゃないかとさえ感じます。そんなDさんがなんとはなしに「私若いとき、お兄さんから2回レイプされたことがあるの」と私に教えてくれました。その様子をあっけらかんとした感じで話すCさんを見て、私はかえって悲しく沈んだ気分になりました。前にもそれとなく、Cさんがこの様な話を示唆したことがあって、私はずっと気になっていたのですが、今回彼女が抱えているものが少し分かった気がして・・・苦しくなりました。
こんな感じの相談事・お話が続き、金曜日朝にして私はすでにグッタリしてしまったのでした。ソーシャルワーカーの仕事って大変だな~と今更ながら感じます。金曜日の退社する頃には私のストレスもピークに達し、同僚相手に思わず「どうしてこんなに人の心配ばかりしなきゃいけないんだぁ~!それも毎週毎週、心配心配で心がすり減りそうだよ!!!大体、僕の家系は心配性の家系で、僕もおじいちゃんの重度の心配性引き継いでるから唯でさえハラハラしっぱなしなのに、仕事でも心配続きでもうおかしくなりそうだぁ~」と叫んだのでした。だってそれがお前の仕事だろ?家系とか関係ないし(笑)。ストレス溜まりすぎじゃね?・・・なんて私の心優しい同僚達は言うはずもなく(私だったら言ってたかもしれぬが・・・)、むしろ「その気持ち分かるわ~。私も心配性だから辛いときあるよ。ほんと気苦労が絶えないよねこの仕事は」と共感してくれるではないですか。やはり持つべきものは友達とソーシャルワーカーの同僚だな~(笑)。
そんな感じで迎えた週末。天気はいいのに、なかなか晴れない私の心。意味もなくソワソワしたりどよ~んとします。これは私の心が疲れた時のサインなので、家でじっとしていても治りません。いやむしろ家でゴロゴロしてると悪化します。という訳で、ジムに行ってまず汗をながし、そのあと爽やかなバンクーバーの海岸沿いを散歩し、そして友達と美味しいものを食べてストレス発散を図ります。太陽の光を浴びるとやっぱり効きます。気持ちが一気にスッキリします。まだ風はひんやりするのですが、でも春の訪れをひしひしと感じるバンクーバーの今日この頃。きっと春になれば私の気分ももっと前向きになれるんじゃないかと思うのですが・・・どうでしょう?(人に聞くなって?笑)。それでも日曜日になると明日から始まる仕事の心配をしてしまい再びどんより感に飲み込まれてしまうので、私の心配地獄は続きます(涙)。みなさん一体どうやって仕事で積み重なる不安感・心配感と向き合っていますか?あ~ストレスフリーになりて~~~~!!!!!
(美しいバンクーバーの海岸遊歩道)
(ストレスには砂糖・・・・)
(バンクーバーと言えばSUSHI)
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