売り込み下手なソーシャルワーカー(それは私)
「クライアント&患者さんのニーズを代弁するのは上手いのに、なぜか自己アピールは下手!」
これってソーシャルワーカーあるあるじゃないでしょうか?どう思います皆さん?
日本ではどうだか分かりませんが、カナダではソーシャルワーカー同士よく自嘲しあってますよ。「他人の事だと熱くなれるのに、自分の事だとなんか言いにくいよね・・・」って。私も例に漏れず、自己アピール下手です(と思ってる)。職場なんかでも、隣席の看護師Kさんが「私なんてこんなに仕事抱えて、すっごい疲れて腰も悪くなったけど、でも一生懸命頑張って仕事してるのよ〜」アピールをマネージャーにするのを横目に見ながら、黙って仕事をする私(心の中では「さっきまでタブレットでゲームしてただろ〜!」とKさんにツッコミながら)。そしてだいたいしばらくすると、Kさんの自慢話に飽きるのか、マネージャーは「シンペー達SWの仕事はどう?」って私に話を振ってきます。ここでKさんみたく「いや〜もう仕事が山ほどあって、Kさんの100倍忙しいんですよ。なんとかして下さい(怠け者のKさんを!)」って言えれば良いんですけど、つい「あ、大丈夫です。最近は前よりも患者さん達も落ち着いてるみたいで、割と余裕あります」なんて答えてしまうのです。本当は結構忙しいのに・・・なんでアピールしないんでしょうね〜?って我ながら思います。そんなんだからマネージャーからも「あ、じゃーちょっと手伝って欲しい事あるんだけど」と雑用を頼まれ、さらに仕事量も増える羽目に・・・
これが患者さんに関する事だと「OOさんは病気による数々の障害ため職場復帰はできません!さっさと傷害保険だせや〜!」みたく強気で政府機関と掛け合えるのにね(笑)。
そんな典型的ソーシャルワーカーの私なので、就職面接なんかも結構苦手です。最近はやっと場数をこなして短所よりも長所を多く言えるようになりましたが(っていうか長所に繋がる短所を言えるようになった)、それでもついつい無駄な謙遜をしてしまう傾向があります。もしかしたらソーシャルワーカーという職業的性質に加えて、日本文化も大きく影響しているのか?ま〜私が考えるに、ソーシャルワーカーになりたい!と思う人には「自己よりも他者」精神が強い人が多いので、その副作用で自分のニーズには疎いというか、主張する事にやや罪悪感を感じてしまうんじゃないでしょうか。また自己のニーズを主張する事で相手に与える不利益を必要以上に気にしてしまい、その結果、自己アピールができない!という事もあるのかもしれません。例えば職場で備品を買う時も、他の職種グループは好き放題備品を注文しているのに、ソーシャルワーカー達は「まだまだこれもあれも使えるから、最低限のものだけ頼もう」なんてボロボロの椅子を使い続けながら言うのです(私はそのお陰で腰椎ヘルニアになったけどね 涙)。それもこれも病院の予算を気遣ってのこと・・・でも最初にリストラ候補になるのは悲しいかな毎度ソーシャルワーカーってオチ(笑)。
さてそんな私が日本で無給休暇を過ごすにあたり一念発起、自己アピールをする決意を固めたのでした。どういう事かって?ムフフ、それは日本で小遣い稼ぎするために・・・ってのは嘘なんですが(ちょっぴり本気)、日本で就活もどきをしてみようかなって。
実は前々から、日本の大学生や現役ソーシャルワーカー相手にカナダの医療ソーシャルワークについての話をしてみたいな、と思っていたのです。自分の経験を語って自己承認欲求を満たしたいというのもあるのですが(笑)、それよりも海外でもソーシャルワーカーの仕事ができるって事を日本の学生・ソーシャルワーカー達にも知って欲しいと思ったのと、日本の教授、学生、現役SWから日本の福祉事情も学びたいな〜と思ったからです。ま、このブログ自体も本来の目的はそうだしね(最近は私の生活履歴ブログになってるけど・・・)。
そんな野心を持った私なのですが、日本の大学には知り合いもいなければコネもありません。そうなると、もうここは大学関係者に自己アピールして私に興味を持ってもらうしかありません。じゃ〜どうするべか?と思った私は、「ばら撒き作戦」を実行する事に決めたのでした。
カナダでは就職の常套手段である「ばら撒き作戦」。これは自分の履歴書を興味のある就職先に有無を言わさず送りつける手段の事。やる気があると思われて採用に至るケースも多々ある事から、特に、新卒学生がやります。私も日本では新卒同様「経験値ゼロ」、それならこれしかない!と思い立ち、この「ばら撒き作戦」を自己アピール&就活(?)手段として活用する事に決めたのでした。
まずはカラー顔写真付きの履歴書を100枚印刷。それに英語ではCover Letterと呼ばれる自己アピール文を大学別に用意して、そしてそれを封筒に詰め、宛名を書いて(手書きで!)、日本全国津々浦々の社会福祉学部のある大学100校に送りつけたのでした。これ一大作業でしたよ。友達にも手伝ってもらっての手書きの宛名書き作業。ちょー久しぶりの手書きは酷いものでした。これ手書きにする意味あるのかよ?って感じで、これなら印刷プリントした宛名の方が真面目な気持ちが伝わるんじゃないの?いやいや、でも真心を込めてあえて手で書くことが大切です(よね?)、例えそれがク○汚い字であっても(笑)。
そうして送り出された100通の履歴書「ばら撒き作戦」の結果は・・・
・・・・・・・・大玉砕〜!!!(涙)。
送り元として書いた実家の住所に次々に送り返されて来る私の可哀そうな履歴書たち。
「この度は当校に履歴書をお送りくださりありがとうございました。残念ながら現在講師の募集は行なっておりません。今後のシンペー様のご健闘をお祈りいたします。」みたいな感じの添え状付きで。ここ日本では通用しなかった「ばら撒き作戦」。どうやら敗因は私のク○汚い手書きの宛名だったようです・・・って事にさせてくださいよ。だって「私の履歴に興味を持たれなかったのが原因でした」なんて認めてしまうと、もう自信喪失です。私のソーシャルワークキャリアって日本ではゴミ以下だったんダァ〜!!!ってなって、もう日本での無給休暇も真っ黒な1年間に・・・引きこもってしまうかもしれません。
いやいや、でもそんな筈はないシンペー、しっかりしろ!だって一応大学院も出てるし、ソーシャルワークの経験値も一応16年以上だし、英語だって一応喋れるし・・・と一応が枕詞になってしまうものの、いくらなんでもゴミ以下のはずは無いでしょ!と自分を慰めてみます。私が思うに多分、私の書いた添え状が分かりにくかったんだと思います。私は特別講師に応募するつもりではなく、どちらかと言えばプレゼンターとして学校に呼ばれて、学生達に1〜2回カナダのソーシャルワーク事情についてお話が出来ればいいなって気持ちで書いたのですが、どうやら先方には講師職に応募希望と受け取られたようです。ちょっと書き方間違えたな〜と後悔するも、ま〜しょうがないです。それでもキチンと履歴書を送り返してくれた日本の大学には好感が持てました。カナダだったら用がない履歴書は問答無用にポイされます。ただ大学からの添え状には「なぜ貴公が募集要項も出してない当校に履歴書をお送りになったのか理解に苦しみます」みたいな辛辣なのもあったりして、正直凹みました(涙)。やっぱり日本ではこう言う強引自己アピールはダメだったのね・・・今回我ながら頑張ってみた自己売り込みは大失敗に終わりました。おまけに、実家の両親は私を慰めるどころか「なんか大学落ちまくっている受験生みたいだよね」と私の傷に塩を塗る始末。すっかり自信喪失になった私は「もう自己アピールなんて二度とするものかぁ〜!」と心に誓うのでした(相変わらずドラマだな〜って?)
しかし「捨てる神ありゃ拾う神ある」とはよく言ったもので、100戦全敗か!?と思われた中、なんと首都圏の数校が私の履歴書に興味を持ってくれたのですよ!!!ありがたや〜。
ま〜戦歴にすると成功率5%みたいな貧弱な結果なんですが(笑)、それでも0%よりは遥かにましです。そうして私は東京に引っ越し後、この僅かな「素晴らしい大学」の教授先生達と繋がる事に成功したのです。そしてさらにはゲストスピーカーにも呼ばれ、ついに念願のプレゼンを学生相手にすることが出来たのです(祝)。でもそのお話はまたの機会に。
それにしても地方の大学よ!もっと私に興味を持ちなさい!特に地元長野県の大学!地元出身者を大切にせんか〜!まったくこのグローバル時代をなんだと思ってるのか(怒)・・・と自分の貧弱な履歴を棚に上げて私の心の叫びを表現してみました(笑)。
そんな訳で、どなたか私をゲストスピーカーとして呼んでくださる方はいませんか?
カナダの医療ソーシャルワークについてのお話をいつでも喜んでしますよ〜。
ぜひご連絡ください!
・・とここで自己アピールして今回も虚しく終了。
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