Zoom痛恨のミス!
・・・と言っても、私の話ではありません(この私が痛恨のミスなど犯すわけないじゃないですか!・・・か?笑)。これは前回からの続きでKさんのお話です。
(前回のまとめ)
謎の腎臓病患者急増で、私の勤める腎臓透析科は占有率120%で満杯。定員以上の患者さん達をその日その日でなんとか凌いでいるものの、それでも新患さんは次々とやってきます。腎臓透析は生命維持の治療なので患者さんを断るわけにもいきません。そんな中、私の天敵であり同じソーシャルワーカー部屋で居候をしている同僚看護師Kさんが「患者数調整係」に任命されました。今までのグータラな仕事ぶりはどこに行ったのか、ここに来て一気にやる気が出たKさんは、隣のソーシャルワーカー(私)が迷惑しているのにも関わらず猛烈社員としてがむしゃらに働き、任務遂行を果たすべき今日も猪突猛進するのでした。
・・・って感じで、鼻息荒く仕事に励むKさんには感心するのですが、やる気満々の所為なのか通常でもデカいKさんのダミ声が、電話口などではもっと大きくなって部屋中にワンワンと響きます。これは、私の精神衛生上大変およろしくない・・・いや、そんなことよりもKさんの声がうるさくて私が電話できません!!!まだ交通手配や失業保険申請、障害年金とかの事務的な電話なら、片耳を塞いでなんとか聞き取り対応できるものの、患者さんとの電話でのカウンセリングなんかは到底無理です。腎不全になってしまいショックを受けている患者さんや、透析をやめて自然死を選ぼうかと迷っている患者さんに「はぁ?えぇ?やい、なんですかね〜?わるいけどねぇ〜、あたしゃ耳がよく聞こえないんでねぇ〜、もうちょっと大きな声で喋ってもらえますかねぇ〜?」なんて大声で聞く訳にもいかず、つまりKさんが電話中の時は電話は出来ません。ところが仕事に燃えているKさんは、次々に他病院の「患者数調整係」の看護師達に電話をかけるので、私が電話できる機会が全然やって来ないんです(涙)。おまけに、やっと電話攻撃が終わったかと思ったらKさん今度はZoomミーティング。ソーシャルワーカー部屋でのZoomはちょっと困るんだよね〜・・・患者さんと守秘に関わる会話ができないでしょ!(怒)・・・・とフラストレーションとやらなきゃいけない仕事がKさんの所為で溜まる一方のシンペー。
そんな狭いオフィーススペースを地声の大きいKさんと共有する(地獄の)日々なので、必然的にKさんが参加する全地域対象の「患者数調整係」看護師Zoomミーティングの内容も耳に入ってきます。私が推測するところによると、どうやらKさんはお隣病院の患者数調整係の看護師Aさんにイラついているようです。KさんはAさんから「うちの患者さん数名そっちの病院に移させて欲しいんだけいいかな?うちの病院はもう一杯でどうにも出来ないから」と何度か頼まれ、確かにうちの病院も一杯なのだけれど、そこは持ちつ持たれつの精神でAさんからの患者を受け入れて来ました。ところが逆の状況になり、今度はKさんがAさんに「悪いけど、うちの患者さんの何名かをそっちに送りたいんだけどいいかしら?お宅の病院の近くに住んでいる患者さん達だし、もしそっちが一杯なら、うちの病院近くに住んでいるそっちの患者さん達と交換してもいいから」と交渉を持ちかけたところ、「え?うちは一杯でそんな余裕はないし、俺も忙しいから患者交換なんてややこしいことは出来ないよ」と無下もなく断られたのでした。その後も向こうからは頼んでくるのに、こっちの要求は「忙しいから」と拒否するAさんの態度にKさんはかなり怒っています・・・ま〜短気な私もKさんと同じようにAさんにはイラつくけどね絶対!(笑)。
こんな感じなので、Zoom会議が終わる毎にKさんはソーシャルワーカーの同僚達やこの私にもAさんの愚痴をこぼすようになりました。確かにAさんの仕事ぶりには・・・っていうか身勝手ぶりには私も大いに???と思うので、「僕もAさんの仕事ぶりはちょっとフェアじゃないと思うよ」とか無難なコメントをKさんに言ってあげてたのですが、当のKさんは「フェアじゃないし、だいたいAは怠け者なんだよ!(怒)」とかなりお怒りのご様子。AさんもAさんだけど、すぐカッカするKさんも問題だよね。この2人の相性は最悪だ!・・・とKさんに負けず劣らずの短気でイラちな私が考察してみます。
そんなある日、またもや「患者数調整係」看護師Zoomミーティングのお時間がやって来ました。あ〜あ、うるさいな〜・・・と腹の中で思いつつ、後ろの会議の様子を耳をダンボにして聞く私。え?うるさいって思いながら、なぜ聞いているのかって?それは決まってるでしょ、後ろで繰り広げられているZoomミーティングが白熱して来たからですよ。我慢に我慢を重ねたKさんが、「Aさん、少しはこちらにも協力してください!」とAさんの仕事ぶりを責めています。それにAさんが反撃して「こちらの事情も聞かずに強引に頼んで文句を言われても困ります。こちらだって忙しんだし、そこは理解を持ってお互いの信頼関係を築くのが先決では?」と今度はKさんのプロとしてのマナー(ものの言い方?)に言及。「でも私もKさんが言うように、Aさんは協力的じゃないと思います!」あらら、今度は他の看護師達の中からもAさんの仕事ぶりに批判をする人が出てきましたよ。これはどうやら炎上ミーティングの予感。ムフフフ、面白くなってきたぞ・・・と他人事(でもないのだが)の私としてはワクワクしてくる状況です。え?不謹慎だって?・・・へぇ、その通りです・・・でもこういう揉め事に興味を持ってしまうのは紛争調停もする医療ソーシャルワーカーとしては当然の成り行きなんですよ(と言い訳してみるが、ただ単に私が噂好きなだけだったりする 笑)。
ま〜とにかく、どんどんとヒートアップしてくる「患者調整係」の看護師達。そんな炎上Zoomミーティングの最中にKさんに電話がかかってきます。どうやら病棟の看護師長からのようだ。「あ、看護師長さん。あの今わたしZoomミーティング中なんで、終わったらそっちに行きますね。え?そうなんですよ、ミーティング長引いているんですよ。〇〇病院のAって言う看護師知ってます?あいつ本当に怠け者で使えないんですよ。奴のせいでミーティング終わらなくてウンザリですよ。じゃ、ミーティングの後で。はい、それじゃー」と言って電話を切るKさん。そして後ろを向きながらも冷や汗がタラりと流れる私・・・Kさん、あんたZoomのミュートしてないでしょ?
その後のZoomミーティングがどうなったかは・・・はい、皆さんのご想像通りです!
Aさんを含むZoom参加者全員にKさんの電話での会話はまる聞こえ。当のAさんは超お怒りモードで(そりゃそうだ)Kさんを個人攻撃。それがKさんをさらに触発し、さらに他の看護師達も巻き込みZoomミーティングは修羅場へと変わって行ったのでした。私はドキドキ・ワクワクしながらこの状況を追っていたため、その日は仕事が全く手に付かず、「あ〜今日は楽しい一日だった!」って喜ぶべきか、それとも「あ〜もうこれだから困るんだよ!」と嘆くべきか、なんとも言えない・・・面白い一日でした!(って結局そっちかぁ〜?)。
さらに後日、またこの件でZoomミーティングがあり、今度はAさんとKさん、そしてその2人の上司との3人での反省会。これまた私は仕事に集中しているふりをして、後ろの席で繰り広げられているZoom反省会に全神経を集中させるのでした(笑)。それにしても、Zoomってこれが怖いんだよね。ミュートのし忘れとかってZoomの初歩的なミスだけど、これが立派に致命的になるから恐ろしい。それにしても、例のZoomミーティング中にKさんが私にAさんの話を振ってこなくて良かったなぁ〜と改めて胸を撫で下ろすのでした。もし話を振られて「本当だね。Aさんって使えないね!」なんて私がKさんに同調していたら、私も今頃お陀仏でしたよ。この経験から私が学んだこと:それは1)Zoomの時は常にミュートをチェックする、2)オフィース内では人の悪口は言わない、3)電話口ではデカい声で話さない・・・の3点です。これからも自分がこのような争い事に巻き込まれないように気をつけ、あくまでも人の噂は聞いて楽しむだけ!というスタンスを保とうと心に誓うソーシャルワーカーがここにいるのでした。
おわり
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