雪の日のバンクーバー


昨日久しぶりに雪が降りました!っと言っても10cmほどですが・・・それでもバンクーバーにとっては大雪で、交通機関にそれなりの影響を及ぼしました。朝過ぎから降り出した雪は、午後にはどんどん激しくなり、病院の窓から目に入ってくるしんしんと降り積もる雪のせいで、患者さんとの相談話もついつい上の空で聞いてしまいます。というのも、私の勤めるC病院は自宅のあるダウンタウンから20kmも離れているので、雪で電車が止まったりでもしたら家に帰れません。そうなったら金曜日なのに病院当直「大病院 医療ソーシャルワーカー24時」になってしまいます。週末を病院で過ごすなんて、それだけはゴメンです。



とにかく電車が動いてるうちに帰らなければなりません。不良ソーシャルワーカーの私は終業時間ちょっと前ぐらいに職場を出ちゃえ!と思い、患者さんに見つからないよう忍び足でこっそり病棟を出ようとしました、が、そういう時に限って声の大きい看護師に「あらシンペーさ~ん!来週看護師スタッフ歓迎会があるんだけど参加しな~い?」って呼び止められてしまうのです。そうすると今度は彼女の大声で目を覚ました患者さんに「あ、ソーシャルワーカーさん、ちょうどいい所に来てくれた。ちょっとハンディーダート送迎バスのことで話があるんだけど」って事になり、雪で透析科への送迎バスが遅れた愚痴を延々20分近く聞かされる羽目になったのでした。



確かに雪が降るとハンディーダート送迎バスのスケジュールに支障をきたし、患者さんの病院到着&帰宅遅れの問題を引き起こします。患者さんの気持ちも分かるけどさ~、でも雪だからしょうがないじゃん、理解してあげてよ~って口には出さないけど思ってしまいました。でもよくよく考えたら、私だって電車が遅れて帰宅できなくなるのは困ります。そう考えれば「その気持ち、よく分かりますよ」とやっぱり患者さんに共感してしまうのです。しかし今は患者さんの愚痴を聞いて共感を示している場合ではないんでした。さっさと帰らないと私だって「大病院 ソーシャルワーカー24時」になってしまいます。「早く雪が止むといいですね。そうすればハンディーダートも時間通り来ますよ」と適当に取り繕ってその患者さんから離れようとしたら、今度は隣のベットで私たちの会話を聞いていた患者さんがハンディーダート遅延問題大議論に参戦するではありませんか。そうなると今度はその隣の隣の患者さんも参戦して・・・終わり無きハンディーダート愚痴大会。このままじゃ帰れないよ~。



だから雪の日の腎臓透析科は嫌なんです(怒)。だって絶対ハンディーダート遅延問題の渦に巻き込まれるんだもん。ホント私には何もしてあげられないんですよ・・・分かってください!と患者さんに言いたいのを我慢しつつ、みんな愚痴れる人がいないんだからソーシャルワーカーがせめて聞いてあげて慰めてあげようじゃないか、という仏の気持ちで今まで頑張って来ましたが、もう終業時間も過ぎたので我慢も限界です。そうだ!今日は同僚ソーシャルワーカーのRさんが遅番だったんだ!と気づき、「Rさんさぁ~今日遅番だよね?患者さん達、Rさんにハンディーダートの愚痴聞いて欲しいみたいだからさ~、悪いけどよろしく。僕は電車動いてるうちに帰らないといけないから、あっ、でもRさんは車だから大丈夫だよね?ほんなら、おさきに~さいなら~」と思いっきり私の性格の悪さを前面に出して私は職場を出たのでした。人の良いRさんゴメン!



さて肝心の電車は・・・ぜんぜん来ねぇ~!寒い中ひたすらホームにたたずむ自分が可愛そうで涙が出そうです。早く来いスカイトレイン(バンクーバーの地下鉄兼地上鉄道の愛称)!!!このスカイトレイン、ハンディーダートと方を並べるくらい遅延が酷いんです。早く帰りたいのに、電車が来ない時ほどイライラすることはありませんよね?30分以上待って、やっとスカイトレインが来た時は、ホッとしたと言うより、遅いんじゃぁ!と怒りモードになっていました。あ~私も誰かに愚痴を聞いてもらいたい、この怒りを発散したい・・・あっ!?ここで私は患者さんのハンディーダートへの気持ちがやっと分かりました。雪だからしょうがないって分かっていても愚痴らずにはいられないこの気持ち。これからはもっと真摯に患者さんのハンディーダート遅延に関する愚痴を聞いてあげようと私は決意したのでした。



さて雪の中での帰宅路は、なかなかスリリングでした。駅から自宅まで乗ったバスが、すべる雪で横にズズズっと流れて、うわー!隣の車にぶつかる~!って寸前まで行って、肝が冷えました。それからはバスは慎重にゆっくりと亀の如くノロノロと進むことになったのですが、怖い思いをした後では、誰も文句を言う人はいません。もちろんイラちで有名な私でさえも。そして、私はここでもピーン!ときたのです。ハンディーダートやスカイトレインが雪の日に遅延するのは、それは安全を確認するためなんだ!と。だから、遅延にイライラしてはいけないのです。むしろ安全に気を配って頂いていることに感謝しなければいけません(多分)。



こんな風に普段だったら「うっぜーな雪の日の交通機関!」って思うのですが、今回はいろいろと学ぶところがあって良かったです。みなさんも、雪の日の交通機関の遅延、イライラしてはいけませんよ。これもすべて安全の為なんですからね・・・ってそんなこと普通みんな知ってるよ!?


↓は美しき今朝の雪化粧を施したスタンレーパーク

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